2020年 慶應アウトサイダーズ戦

バッカス、勝利でシーズンスタート
2020年11月15日 @江戸川河川敷グラウンド

1Q2Q3Q4Q
慶應アウトサイダーズ
早稲田バッカス162238

【STATS】
異例のシーズンとなった2020年。6チーム参加のトーナメントの初戦で慶應アウトサイダーズとの対戦となったバッカス。第1試合で慶應ダックスがオーバータイムでようやく東大バイキングスを下すという、予測のつかないシーズンを示唆する幕開け。
さらにエースQB吉澤(3年)の負傷欠場により、初のスタートQBとして出場の藤森(2年)がどこまでチームをリードできるか。それらの不安を一掃し、前半終了時の慶應の棄権により終了となった試合を勝利で飾った。


ブロックリーグの試合はキックオフなし、ゴールポストなしで行われる規定。慶應陣25ヤードから試合開始。11カ月ぶりの試合で、バッカスディフェンスに固さが見られる。ファーストプレーでQBキープで7ヤードのゲインを許すと、次のプレーでディフェンス左サイドへフライのパス。CBが対応できずに、一気にバッカス陣40ヤードへ。サイズのあるOLを活かして、じりじりとランプレーでダウンを更新。ファンブルによる2アンド20も、バッカスCBのインターフェアを誘いバッカス陣19ヤードまで前進。ここからようやくバッカスディフェンスの動きがほぐれ、次のシリーズをノーゲインに抑えて、この試合最大のピンチを脱した。

バッカスのファーストオフェンス。初先発のQB藤森(2年)は落ち着いてエースRB益山(4年)へのハンドオフ2プレーでダウンを更新。しかし、OLのブロックはDLをとらえきれず、益山の個人技によるゲイン。次のプレーでビックゲインが飛び出す。RB椿(2年)右のオフタックルからオープンへカット。自陣30ヤードから一気に慶應陣22ヤードまで快走。次のシリーズで益山が左のオフタックルからエンドゾーンへ。先制のTD。(PAT G 8-0)
次の慶應のオフェンスは2プレー目にDE太田(4年)のチャージのプレッシャーに浮いたパスをSF杉本(3年)がインターセプト。慶應陣45ヤードからのバッカスのオフェンスとなる。
ファーストプレーで益山の右オープン。WR倉田(4年)の執拗なブロックを活かした益山が、一気にエンドゾーンへ。16-0(PAT G)として1Qを終了した。

3フロントのバッカスディフェンスにエンジンがかかり出し、飯野(3年)、髙橋弘大(3年)、松林(4年)、柴谷(4年)のLB陣の動きも良くなる。スピードで慶應オフェンスラインをほんろうする場面が見られ、ダウンの更新を許さない。2Q最初のバッカスオフェンス。髙橋弘大のナイスパントリターンで中央付近からの攻撃。2プレー目に藤森からWR岡田(3年)にロングパスがヒット。慶應陣5ヤードまで前進。次のランプレーでロスし2アンド8。WR近藤(2年)へ藤森から5ヤードポスト。カバーされながらも見事なタイミングのパスとキャッチでゴール前3ヤードへ。最後は益山がFB奥野(4年)のナイスブロックに応えてエンドゾーンへ。22-0とした。(PAT NG)

攻守兼任が多い慶應に疲れが見えてきたが、オフェンスはラインで圧倒というパターンにはならない。攻め込みながらも攻撃権を手放す。一方、ディフェンスは危なげなくスピードで圧倒。杉本がこの日2本目のインターセプトで攻撃権を取り戻し慶應陣35ヤードからの攻撃。TE中村(4年)へのショートパスと益山のランで慶應陣20ヤードまで前進すると、藤森がコーナールートでフリーとなった中村へエンドゾーンでパスをヒット。30-0(PAT G)と突き放す。その後、終了間際に慶應陣4ヤードからRB椿が右オフタックルをスピードで抜けて1TDを加えたバッカスが、38-0で前半を終了。慶應側より後半棄権の申し入れで試合終了となった。

ほぼ1年ぶりの試合。普通の年でもリーグ戦の初戦は、緊張感で予期せぬ展開となる事が多い。まずしっかりと勝利した事は大きな成果。さらに、2年生の成長が見られ、様々なポジションでの活躍が見られた。一方、これからの試合への課題も多い。ランプレーはしっかりとしたホールが開いているとは言えず、RBの個人技によるゲインが多々見られた。技術的な事よりも、笛が鳴るまでプレーをしているかどうか。フィールド上の観客になっていないか、ビデオで確認してほしい。

リーグ随一のマネージャー陣は今年も健在。システマティックに機能している姿は、「バッカスのマネージャーはフィールドプレーのプロデューサー」という事を認識させられる。次週は早稲田ダービー、そして決勝トーナメントへ。
コロナウイルスに対してもノーサプライズ。何が起きても驚かない。やるべき対応準備をしっかりとやる。それでも何か起こるかもしれない。それに対しては是非もなし。今年プレーできないチームの事を考えて感謝しながらのシーズンをオールバッカスで過ごしたい。


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