着実なゲインを支えるブロッカー陣奧野8、渡辺73、新田57、中村80

2019年 早稲田レブルス戦

バッカス、早稲田ダービーを制す
最終戦、自力関東出場へのチャレンジへ

1Q2Q3Q4Q
早稲田レブルス
早稲田バッカス

この試合を象徴するディフェンスのギャザー

【STATS】

公式戦では、17年ぶりとなる早稲田ダービー。
バッカスは試合を通じて、キッキングゲームで好フィールドポジションを確保。
2Q敵陣10ヤードでのインターセプトから決勝のTD。
ゲインはされるものの、粘り強いディフェンスで得点を許さず、貴重な勝ち星をあげた。
最終戦、明治シティーボーイズ戦で19点差以上で勝利すると、明治ロードランナーズ、レブルス戦の結果に関わらず、また、レブルスが敗れると次戦の勝利で、関東選手権出場が決まる。


バッカスのリターンで試合開始。
杉本11(2年)の好リターンで自陣35ヤードからファーストシリーズ。
いきなりスナップミスがあったが、主将RB益山9(3年)が落ち着いてボールを保持してオープンサイドへ5ヤードへのゲイン。
立ち上がりに硬さが見られる。
続く2プレーでFBに入った奥野8(3年)がパワフルなランを見せダウンを更新するものの、パント。
スタートQBでもある吉澤83(2年)が、いつもながらの飛距離十分のパントで、レブルス陣8ヤードへ。
レブルスはエースRB33にボールを集め、さらにショートパスでダウンを更新するも、反則もありパント。
バッカス陣48ヤードからの攻撃。
QB吉澤は好調なパス攻撃を見せ、WR高倉86(3年)にパスをヒットしてダウンを更新すると、WR向井2(4年)へウィングパス。
絶妙のカットを見せた向井は20ヤードゲインして一気にレブルス陣20ヤードまで前進。
さらにTE中村80(3年)へのパスを決めてゴール前10ヤードへ。
ここでQB東野12(4年)を投入したが、攻めきれずFGトライ。
杉本11のキックは、ホルダーのセットが素早く決まらず、ブロックされて絶好の先制機を逃した。
2Qに入り両チームともにディフェンスが頑張り、ダウンの更新ができない。
レブルスのパスオフェンスに対しLB中尾25(3年)、LB飯野53(2年)、松林22(3年)、CB川嶋18(4年)、能勢10(3年)がレシーバーをカバーし、DE太田97(3年)がレブルスOLをスピードで抜き去りQBサック。

試合が動いたのは、バッカス陣39ヤードからのパントから。
素晴らしい飛距離とコントロールのパントを向井がレブルス陣2ヤードでカバー。
ここで、レブルスは意表をついてLBの後ろのゾーンへのパス。
LB飯野がしっかりカバーゾーンにステイし、ジャンプしてインターセプト。
前半残り6分でレブルス陣10ヤードからのバッカスの攻撃となった。
QB東野は、このシリーズのファーストプレー、RB益山へのフェイクを丁寧に入れ、ディレイ気味に右からアクロスで入ってきたTE中村へパスをヒット。
中村はエンドゾーンへタックラーを引きずってのTD。
待望の先制。
7-0とリードを奪った。(キックG)
得点後の注意すべきディフェンスシリーズ。
DL東島74(2年)、柏倉70(2年)、LB高橋弘大4(2年)、松林22(3年)のファーストタックルに早いギャザーでレブルスのランを止め1回のダウンの更新でパントへ。
自陣20ヤードからの攻撃をQB東野が落ち着いてパス、ランを繰り返し、OLの好ブロックもあり、敵陣25ヤードまで進めたが、前半を終了。
後半はレブルスのレシーブで再開。
この試合の帰趨を決める大きなシリーズとなった。
レブルスは、自陣25ヤードからエースRB33のピッチオープン。TE89へのパスを勝負どころで決めバッカス陣19ヤードへ。
3rd1と攻め立てる。
勝負のプレーはRB33のピッチオープン。
Freeman向笠89(4年)が抜群のスピードでラインを割って入っているとSF杉本が一気にRBへ向かい、ディフェンス陣のギャザーで大きくロス。
4thダウンのFGは失敗に終わりこの試合の最大のピンチをしのいだ。

惜しまれるのは次のバッカスオフェンス。徹底マークにあうRB益山に対し、パワーランナー奧野のFBからのランはファーストプレーで炸裂。
WR倉田1(3年)の好ブロックもあり、一気に自陣20ヤードからレブルス陣35ヤードまで前進。
しかし次のシリーズでFGトライとなったが失敗。
点差を拡げる事ができなかった。
ここで新たなピンチ。
レブルスの自陣20ヤードからのファーストプレー、RB5がぽっかり空いたオフタックル付近を抜けて独走に。
LB高橋弘大4が執念で追いつきシューストリングタックルを決めバッカス陣36ヤードで止める。
次のランプレーも高橋弘大がソロのロスタックルを決めてモメンタムを引き戻し4Qへ。
勝利への最後の試練は、4Q前半6分を使ったレブルスの攻撃。
自陣31ヤードから。ミドルのパスを要所で決め、4thダウンギャンブルを成功させてバッカス陣20ヤードまで前進。
しかし、ここからのパス攻撃は単調になりホールディングの反則もあり4thダウン24ヤード。
ここでの判断が注目されたが、残りあと6分で再度のチャンスありと判断したレブルスはパント。
バッカス、自陣4ヤードからのオフェンスとなる。
ここから、今季最高のリズムでQB吉澤とオフェンスチームがプレーを展開。
G渡辺73(4年)の好ブロックとオフェンス一体となった前進で、FB奧野が25ヤード前進。
レッドゾーンを脱出すると、吉澤からテンポの良いパスがレシーバー陣にヒット。
勝利をたぐり寄せたのが、残り3分3rd5のプレー。
乱れたスナップを吉澤が冷静に処理しWR荒木13(3年)へLBの後ろのゾーンへパス。
このパスを荒木が倒れこみながら好捕。
最後のシリーズは、QB東野が冷静にラン、ニーダウンで見事に6分を使い切り大きな勝利を挙げた。

いくつも勝因はあるが、常にフィールドポジションを有利にキープした事が、最大の要素。
レブルスの攻撃は、自陣31ヤードからが最高。
吉澤の好パントとロングスナップをミスなく供給した中村の活躍が大きかった。
試合後のディフェンスキャプテン中尾25(3年)コメントにあったように、
「やろうとしてできなかった事、ミスがかなりあった。勝ったことでそれを無しにするようなチームでは先がない。」
オフェンスでは、3-4回あったスナップミス。
2度のFG失敗。
先に進む事を期待するが故に、さらに進歩して欲しい。
次戦に関東選手権出場をかける。
期待したい。

早稲田レブルス明治ロードランナーズ早稲田バッカス明治シティボーイズ法政ビーバーズ日大サイテック
早稲田レブルス0●732○01○045○0
明治ロードランナーズ16○1320○01○055○0
早稲田バッカス7○013●1652○074○0
明治シティボーイズ0●320●2024○024○0
法政ビーバーズ0●10●10●520●24
日大サイテック0●450●550●740●24

※1-0となっているものは棄権による不戦勝(敗)


【PICK UP PHOTO】

システマティックに機能するバッカスMGR陣は他チームからの評判も高い。千原、平島システマティックに機能するバッカスMGR陣は他チームからの評判も高い。千原、平島

左:値千金のインターセプトLB飯野53 中央:粘りのディフェンスの守護神SF杉本11 右:我慢のタイミングからTDパスをヒットQB東野12左:値千金のインターセプトLB飯野53 中央:粘りのディフェンスの守護神SF杉本11 右:我慢のタイミングからTDパスをヒットQB東野12

左:パワフルランでロングゲインを重ねる奧野8。澤野78のダウンフィールドに吹っ飛ぶレブルスDB 右:徹底マークにあいながら堅実にゲイン主将益山9左:パワフルランでロングゲインを重ねる奧野8。澤野78のダウンフィールドに吹っ飛ぶレブルスDB 右:徹底マークにあいながら堅実にゲイン主将益山9

左:落ち着いたバッシングゲームを展開したQB吉澤83、WR宮川82 右:4Q終盤3rdダウン勝利をたぐり寄せるキャッチWR13荒木左:落ち着いたバッシングゲームを展開したQB吉澤83、WR宮川82 右:4Q終盤3rdダウン勝利をたぐり寄せるキャッチWR13荒木