2020年 決勝トーナメント決勝 慶應ダックス戦

バッカス、先制も頂点ならず
2020年12月27日 @駒沢第二球技場

1Q2Q3Q4Q
慶應ダックス101427
早稲田バッカス1010

【STATS】
ダックスとの頂上決戦。過去7回の対戦で、14点得点のオフェンスが、今季からの新システムの効果を見せたが、パント処理のミスを含めて3つのターンオーバー。全て失点につながり、2014年以来のダックス戦勝利と優勝はならなかった。しかし、フィジカル勝負のダックス、ディフェンスを解剖するかのようにプレーを展開するバッカス。今後の両チームのカラーが予測される好試合。ディフェンスもターンオーバーから気迫を見せた。困難な今年の状況の1年間の頑張りを讃えたい。


バッカスのキックで試合開始。ダックス陣21ヤードからのシリーズは3アンドアウト。バッカスのファーストオフェンスは自陣0ヤードからの好ポジションであったが、スタートQB藤森(2年)にやや固さが見られ2度のパス失敗で3アンドアウト。続くダックスの攻撃。自陣25ヤードより開始。フィジカルで圧倒し、QBを含めたランニングアタックで攻めるゲームプランが伝わるようなシリーズ。2度のダウンの更新でバッカス陣内へ。ここでパスを試みたが、DL南方(1年)がダブルチャージを吹き飛ばしてQBサック。大きくロスさせて流れを断った。

自陣38ヤードからのバッカスのセカンドシリーズだが、プレーミスから誰もいない方向にピッチ。かろうじて益山(4年)がリカバー。ここで吹っ切れたが、3rdダウンロングで益山へのセンタースクリーン。30ヤードのゲインでファーストダウン。ようやくここからゲームプランである、ショートパスを通す新システムが動き出す。WR荒木(4年)へのスラントとバンチサイドへのパスが連続して決まり、ダウンを更新。ホールディングの罰退の後、今度は奥に走る荒木に藤森がパスをヒット。ダックス陣10ヤードに迫る。先制のチャンスは、バッカスの反則があり、4thダウン15。K岡田(3年)が先制のフィールドGを決め3-0。

ダックスの準備を見せつけられたのは、直後のキックオフ。よくアサインされたリバースを見事に決め、一気にバッカス陣22ヤード。ここから、ラン攻撃に徹し、スピードランの#5、パワーの#9にQBキープ。5プレーでエンドゾーンへボールを運び3-7と逆転。
バッカスも負けてはいない。自陣33ヤードからこちらもゲームプラン通りに、WR倉田(4年)へのパスからランアフターキャッチ。ダックスの危険な販促で、一気にダックス陣33ヤードへ。続いてWR岡田がヒッチからのランでダックス陣13ヤードへ。たたみかけるように、藤森がエンドゾーンのWR荒木へロングパス。ダックスDBの反則を誘い、G前2ヤードから。これも新体型のG前オフェンスからダイレクトスナップを受けた益山が、OL陣の執念のブロックを飛び越えてTD。10-7と再度リードを奪う。

ダックスの次のシリーズを3アンドアウトで止めたバッカスの自陣42ヤードの攻撃で、勝負を左右した3つのファンブルの1つ目が起こる。ファーストプレーでパスの態勢に入った藤森はチャージしてきたダックスのDLが視界に入ったか、ボールをファンブル。バッカス陣38ヤードで攻撃権を渡す。ダックスはパスをバッカスディフェンスに封じられながらも、4ダウンギャンブルを含め、8回のランでバッカス陣1ヤードまで迫るが、残り時間からFGを選択。成功させ同点で前半を終了。

後半はバッカスのオフェンスで開始。双方3アンドアウトと思われたが、パントリターンの判断を誤ったバッカスがボールに触れてロスト。自陣28ヤードからのディフェンスとなる。ファーストプレーのロングランで一気にゴール前4ヤードまで迫られたが、ディフェンスが素晴らしい粘りを見せ、FGに抑え10-13。3Q残り3分、負傷から復帰のQB吉澤(3年)を投入。ダックス陣に入り、勝負を賭けたフリーフリッカーからのパスを試みたが、受け渡せずにファンブル。攻撃権を失う。中央付近からのダックスの攻撃は、2ダウンで中央フェイクのQBキープで一気にバッカスゴール前2ヤードへ。最後はダイブでTD。10-20と差を広げる。残り時間から得点の欲しいバッカスであったが、次のシリーズはパント。吉澤の好パントでダックス陣深く押し込む。ダックスはここから時間を消費しながら8プレーのランでバッカス陣40ヤード付近まで前進。ここから奥へのパスでDBを完全に抜いてTD。10-27と勝負を決めた。

意地を見せたいバッカス。自陣30ヤードから残り4分。今シーズン採用のシステムから、パス、ラン、と組み合わせて店テンポよく、ダックス陣2ヤードまで68ヤードのドライブ。残り2ヤード、残り時間2秒。最後のプレーをエースRB益山に託したが、ダックスディフェンスのアウトサイドからのチャージに阻止されタイムアップ。

速報値のスタッツでは、およその獲得ヤードはダックス260ヤード(内ラン200)、バッカス235ヤード(内パス220ヤード)。対照的だが拮抗。ターンオーバーが勝負を決めたと言える。オフェンスの形が見えてきたバッカスの来年に期待したい。今年の環境下で創意工夫でチームを造ってきた、選手、マネージャーに盛大な拍手を送りたい。


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