バッカス、ダックスに苦杯
駒沢で実力を示すも勝つ技術に課題
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | R | |
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慶應ダックス | 0 | 0 | 7 | 3 | 10 |
早稲田バッカス | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
【STATS】
17年ぶりのプレーオフの駒沢第二。
多くのOBOGハリケーンズさんを含めた関係者の前で、バッカスは宿敵慶應ダックス相手に堂々と互角以上の試合を展開した。
結果は0-10の敗戦となったが、差は勝負どころで得点に結びつける試合運び。
お互い、ほぼ2度しかなかったチャンスを得点に結びつけたダックスと、自滅に近い形で無得点に終わったバッカス。
だが、一戦一戦成長し続ける今年のバッカス。
3位決定戦では自滅に繋がるミスを修復し、さらに成長したバッカスの姿に期待したい。
バッカスのキックで試合開始。
主将益山9(3年)の飛距離十分なキックはダックスゴール前へ。
リターナーがキャッチはしたものの体勢を崩してニーダウンとなり、ダックス陣1ヤードからのダックスのファーストシリーズとなる。
怪我でスターターのDTを欠くバッカスディフェンスは、3-4Freemanの体型を主体にしての戦い。
ダックスのエースRB21佐藤主体のランをDL、2線目のスピードのあるツッコミで、一度のダウンの更新でパントに追いやる。
ダックス陣37ヤードからのファーストシリーズという立ち上がりのチャンスを掴んだ。
スタートQB吉澤83(2年)は、落ち着いてファーストプレーでWR倉田1(3年)にヒットして5ヤードのゲイン。
さらにOL陣のブロックを活かしFB奥野8(3年)が中央をパワフルなラン。
セカンドエフォートによりダックス陣25ヤードでダウンを更新。
しかし勝負所の1stダウンで、WRのフォルススタートで2nd15。
さらにQBのサックを許し4thロングでパント。
モメンタムを失ったかに見えたが、ダックスのラッフィングパンターの反則によりダックス陣20ヤードでファーストダウン。
パンター兼任の吉澤に変わり東野12(4年)がQBに入ったシリーズ。
絶好の先制機であったが2度のパスで失敗とホールディングの反則で、後退し、ダックス陣35ヤード付近からパント。
重要な得点機を逃した。
しかし、ここでP吉澤のコントロールされたパントはダックス陣2ヤードでバッカスが押さえる。
今期、勝利の基本パターンのフィールドポジションの確保がこの試合でも発揮された。
ダックスオフェンスは、スピードのあるバッカスディフェンスの動きに翻弄され、大きなゲインが奪えない。
特にFreemanに入った向笠89(4年)の文字通り、どこから入ってくるかわからない動きに対処できず、自陣から抜け出すことが出来ずに守備戦の色が濃くなる。
2Qもダックスの自陣17ヤードからのシリーズのパントとなるが、転がりが良く、バッカス陣18ヤードからのバッカスのオフェンスとなる。
QB吉澤はここから、WR向井2(4年)、WR向井2(4年)、TE中村80(3年)へ3連続でパスを成功させてダックス陣内へ。
さらに、パスケアーのLB陣に対して、RB益山、奧野のランでダウンを更新するが、またしてもフォルススタートによる罰退でモメンタムを手放す。
前半戦最後のダックスの攻撃で初めて自陣に攻め込まれるが、そのまま前半を終了。
ダックスの5回オフェンスの起点が、3回が自陣5ヤード以内。
最高で、自陣35ヤードと完全にフィールドポジションを支配した前半であった。
前半キーの働きをしたF向笠が、前半最後のプレーで頭部接触。
蒲田チームドクターの判断で脳震盪の症状により出場を見合わせる事となった。
後半は、バッカス陣10ヤードからのバッカスオフェンスで開始。
しかし、3アンドアウトで終了。
しかも、吉澤のパントは、50ヤード付近でサイドラインを割る。
ここから結局ダックスがワンチャンスをものにする事になる。
RB21佐藤にボールを集中し、3ダウンを更新してバッカス陣10ヤードへ。
ここで、QBから右のコーナーへのパス。
バッカスDBとの競い合いとなったがWRが見事なキャッチをみせ、均衡を破るTDとなった。(キックG0-7)
その後両チーム守備が踏ん張りを見せ、そのまま4Qへと入る。
バッカスの同点機は、4Q開始直後の自陣12ヤードからのシリーズ。
3rd7のプレーはQB東野から、エースRB益山へのハンドオフ。
スロットにシフトした奧野8とWR向井2の粘り強いブロックで、益山は一気にダックス陣49ヤードまでロングゲイン。
しかし、ここでまた、モメンタムを自ら手放す。
ディレイとスナップミスを連発。
チャンスは潰れたかに見えてが、今度はダックスにラッフィングキッカーに続きラッフィングパサーの反則。
ダックス陣25ヤードからの攻撃となるが、またも、スナップミス。
4thギャンブルもQBサックで大きくロスして失敗。
ダックス陣38ヤードまで後退して攻撃権を失う事となった。
勝利の女神は、モメンタムを度々自ら手放しているチームにもう一度だけ、微笑んでくれた。
ここからのダックスの攻撃は、エースレシーバー村川へのパス、RB21佐藤へのランを基軸にテンポよくゲインを重ね、3度のダウンの更新で、バッカス陣15ヤードへ。
ここからのバッカスディフェンスの踏ん張りで、バッカス陣10ヤードの付近からFG。
これが右へと外れて残り時間4分ほどで、自陣20ヤードからバッカスの攻撃。
QB吉澤からのアウトパターンのパスは、ダックスLBが見事な反応を見せてインターセプト。
だが、バッカスディフェンスは、浮足立つ事なくこのピンチにダウンの更新をさせずに4th8に持ち込む。
しかし、さすがに勝利の女神は、もう微笑む事なく、FGを決められ0-10。
勝敗が決した。
プレーは互角以上。
特にディフェンスは、後半、DLの要向笠F89、東島DT74(2年)を負傷で失いながら、ディフェンスキャプテン中尾LB25(3年)のコールとリーダーシップでダックスオフェンスをしっかりとコントロールした。
オフェンスはフォルス、ディレイ、エクスチェンジミス、練習で起きている事が試合に出た。
常勝チームになっていく過程、試合を常に意識した練習、チャンスをどうものにするかのフィールドでの意思統一を是非、次戦の東洋戦に向けて見せて欲しい。
17年ぶりの関東選手権、まだ、Bacchus is back!とは言えないが、手応えは掴んだと思う。
【PICK UP PHOTO】
オープニングセレモニーでのMGR陣の入場
右:部旗とともに入場 左:ファーストプレーのパスをキャッチする倉田1
左:再三の好キャッチと好ロングスナップ中村80 右:ダックスオフェンスを悩ませたF向笠89
完璧なパスポケット菊池51、澤野78、渡辺73、新田57
左:思い切りのいい上がりで好タックルのSF杉本11 右:主将の責任感でランアタックを支えた益山9
試合後、ダックス監督より今シーズンの相手で最強のディフェンスと言わしめたディフェンス陣
左:フィールドポジションを支配した吉澤のパント 右:シュアーなキャッチとブロックで存在感向井2