バッカス、接戦を制し関東
キッキングゲームでのフィールドポジションを勝利につなげる
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | R | |
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東洋グリフィンズ | 7 | 0 | 0 | 7 | 14 |
早稲田バッカス | 0 | 10 | 7 | 0 | 17 |
【STATS】
17年ぶりの関東選手権出場のステージで終わるのか、勝利して3位の座を得るのか。
今シーズンのチームの歩みをさらに進めるのみならず、来季以降へのさらなる上昇のための重要な試合。
立ち上がりのオフェンスのミスからの失点を主将益山の独走TDで同点とすると、前半ラストプレーのFGで逆転。
終了間際の東洋の粘りを断ち切りシーズン最終戦を勝利で飾った。
今期躍進の原動力、キッキングゲームの優位を十分に活かした勝利であった。
RB大森を絶対エースとして協力なランオフェンスを展開する東洋。
自陣28ヤードからのファーストシリーズも5回連続の大森のキャリーでバッカス陣34ヤードまで迫る。
バッカスディフェンスは、カットバックに戸惑いながらもDL、LBが粘りのタックルとギャザーでゲインは許すもののロングゲインは許さずパントに追いやり自陣10ヤードからのファーストシリーズ。
スタートQB吉澤83(2年)からエースWR向井2(4年)へのショートパス。
縦に上がろうとした向井が投与うDBにボールをかき出されてファンブル。
自陣10ヤードでのターンオーバーの大ピンチ。
バッカスディフェンスはここから粘りを見せ、LB松林22(3年)、DL柏倉70(2年)が鋭い出足を見せ、ギャザーの意識も高く東洋RB大森のランにプレッシャーをかける。
最後は1ヤードを走り切られて先制を許すが、(キックGで0-7)6プレーをかけさせ東洋オフェンスに容易ではないディフェンスと意識させた。
互いに3アンドアウトのシリーズを2度続けたあとの2Qバッカス自陣25ヤードからのシリーズ。
FB奥野8(3年)のダイブで2nd5。
主将の益山9(3年)の右のスウィープ。
プルインしたLG渡辺73(4年)、RT菊池51(2年)、RG新田57(3年)のブロックで縦に上がった益山は、さらにWR高倉86(3年)の粘りのストークブロックで右サイドライン際を快走。
一気にエンドゾーンへ70ヤードのTD杉本11(2年)のキックも決まり7-7の同点とした。
バッカスディフェンスは徐々に東洋オフェンスをコントロールし、DL、LBが集散の良いディフェンスでダウンの更新を許さない。
一方、2Q中盤、バッカスオフェンスは東洋35ヤードまで攻め込むも反則、QBサックでチャンスを逃す。
バッカスにチャンスが来たのは前半終了間際。
東洋のパントがショートとなり、残り1分30秒で東洋陣48ヤードからのオフェンス。
益山のランで東洋陣25ヤードへ。
QB吉澤はここから益山のランを交えてWR荒木13(3年)、宮川82(3年)へパスをヒットし、前半ラストプレーをK杉本11の22ヤードFGに託す。
杉本が落ち着いてこれを決め、前半を10-7で折り返した。
バッカスのレシーブで開始された後半。
リターナー杉本は、中尾25(3年)、山崎88(4年)、向井の好ブロックを活かし、右サイドラン際をビックゲイン。
東洋陣45ヤードからのオフェンスとなる。
ここからテンポの良いフェンスで、ショートパスとランを交えて敵陣15ヤードまで迫る。
しかし、ここでプレー違いのミスで大きくロスして3rd18。
パスプレーからQB吉澤はカバーされていると見てスクランブルに。
これに反応したWR向井のブロックを活かして縦に上がり残り4ヤードまで突進してダウンを更新。
ファーストプレーで益山へのフェイクから左のフラットのパスコースに出たFB山崎へTDパスをヒット。
キックも決まって17-7とした。
2ポセッション差としたバッカスだが、ここから苦しいディフェンスとなる。
益山の好キックで、東洋陣25ヤードからのシリーズスタートからとしたが、RB大森を徹底して走らせ、フェイクからのリバースを混じえたランオフェンスに4回連続でダウンの更新を許し一気にバッカス陣10ヤードまで進まれる。
太田97(3年)、山本翼91(4年)、東島74(2年)、柏倉70(2年)のDL陣と、LB陣中尾、松林22(3年)、飯野53(2年)、高橋弘大4(2年)の僅かな隙間をRB大森につかれてのゲイン。
最後はQBキープで2ヤードを飛び込まれてTD。
キックも決まり17-14となった。
1FG差に迫られたバッカス。
次のオフェンスも3アンドアウトとなるが、P吉澤の飛距離十分なパントで、東洋陣12ヤードまで押し込む。
ここからバッカスディフェンスが奮起。
柏倉、松林、向井89(4年)、高橋らがタックルの起点となりギャザーを見せ3アンドアウトに追い込む。
次のバッカスオフェンスはQB東野12(4年)を投入したが、サックもあり3アンドアウト。
ここで吉澤がサイドの好パントを見せ、東洋陣11ヤードへ。
残り時間4分。
ここから15プレーの緊張感あふれるしのぎ合いとなった。
両面出場のRB大森が最後の力を振り絞っての力走に加え、リバース、さらに大森からのパス。
4thギャンプルも含めての攻撃で、勝利への執念を見せる東洋。
バッカスディフェンスも残り時間とボールポジションを考慮したディフェンスキャプテン中尾のコールと渾身のタックル、ギャザーで対抗。
タイムアウトを使い切った東洋はバッカス陣30ヤードまで進んでラストプレーはパス。
これを中尾がインターセプトからニーダウンして勝利を決めた。
駒沢第二でも勝利は、21年ぶり。
今シーズンの強みである吉澤の好パントを活かしたフィールドポジションのコントロールとそれを可能にした中村30(3年)の安定したロングスナップが大きな勝因。
また、リーズ切きってのカットバックランナー大森(この試合のボールキャリーは30回)に独走を許さず、失点はしたものの時間を使わせたディフェンス陣の頑張りも光った。
【PICK UP PHOTO】
DE太田のパスラッシュ
3QTDに繋げる貴重なゲインRB5西野
東洋RBを囲い込むディフェンス陣91山本翼、70柏倉、25中尾、74東島
左:東洋エースRBへのソロタックルを決めるLB22松本 中央:サイドライン際をエンドゾーンへ向かう益山9 右:効果的なスクランブルを見せたQB吉澤
21年ぶりの勝利のスコアボードを背に撮影